【120mの津波は本当に来るの?】東日本大震災の3倍の津波は地震だけで起きるのか?信じがたいウワサを徹底検証

「東日本大震災の3倍の津波が来る」と聞いて、不安になっていませんか?
ネットやSNSで「120m級の津波が来るかもしれない」という話を目にして、気になって調べる人も多いはずです。
津波の脅威を過小評価するのも危険ですが、逆に過剰に恐れるのも冷静な判断を鈍らせます。
この記事では「東日本大震災の3倍の津波は、地震の力だけで本当に起こるのか?」という疑問に、科学的な視点で答えていきます。
津波の仕組み、過去の事例、そして「地震だけで120m級が来るか」という根本的な問いに、わかりやすく迫っていきましょう。

ネットで「120メートルの津波が来る」と読んでとても不安になりました。
あれは現実にありえる話なのでしょうか?

確かに不安になるよね。
でも安心していい。
地震だけで120mの津波が発生することは、物理的にほぼ不可能なんだ。
どうしてそう言えるのか、これから詳しく説明していくよ。

地震の力で120mの津波は本当に起こせるのか?

東日本大震災の津波が最大40m以上あったと知りました。
それを大きく上回る120mの津波って、地震だけで発生することがあるんでしょうか?

120mって聞くととんでもない高さに思えるよね。
実際、地震による海底の動きだけではそこまでの津波は起こらないんだ。
それには理由があるから、順を追って見ていこう。
地震による津波発生の仕組みとは?
津波は、海底で大きな地震が発生したときに、海底の地形が急に動くことで発生します。
海底が大きく隆起したり沈んだりすることで、海水が一気に押し上げられ、それが津波となって沿岸へ押し寄せるのです。
ただし、海底の隆起量には限界があります。
例えば、東日本大震災では最大で10メートルほど海底が隆起したとされており、それでも津波の高さは最大40メートル程度でした。
このことからもわかるように、海底の動きが何倍にもならない限り、津波の高さもそれ以上にはなりません。
マグニチュードと津波の高さは比例しない
「マグニチュードが大きければ、津波も比例して高くなる」と思いがちですが、実はそれは誤解です。
地震のエネルギーが大きくなっても、津波の高さは必ずしも同じ割合で増えません。
たとえば、マグニチュード9.0の地震で40メートルの津波が発生したとして、
その3倍の120メートルの津波を起こすには、単純計算で27倍以上のエネルギーが必要になります。
しかし、地球上のプレートが発生できるマグニチュードには限界があります。
マグニチュード10クラスの地震は、現実的には発生しないと考えられています。
つまり、地震の力だけで120メートルの津波を発生させるのは、ほぼ不可能だといえるのです。
津波の高さは、地震の大きさだけでなく、海底の形や沿岸の地形によっても変わります。
狭く入り組んだ湾では津波が高くなりやすいですが、それでも限度があります。


100m超えの津波が実際に起きたことはあるのか?

過去の歴史の中で、本当に100メートルを超える津波が観測されたことはあるのでしょうか?

実はあるんだ。
でもそれは、地震とは違う原因で発生してるんだよ。
ここではその特殊なケースを紹介するね。
地滑りによる巨大津波の実例
1958年、アメリカ・アラスカ州のリツヤ湾で起きた津波は、なんと524メートルという世界最大級の記録を残しています。
でもこれは、地震で直接起きたのではなく、地震によって山が崩れて大量の岩が海に落ちたことが原因でした。
海に落ちた土砂が海水を押し出し、それが一瞬で巨大な波となって湾内を襲いました。
これは地滑り津波と呼ばれる特殊なケースで、通常の地震津波とはまったく性質が異なります。
火山噴火や隕石衝突も津波の原因になり得る
火山の爆発や巨大隕石の海中落下でも、理論上は大津波が発生する可能性があります。
たとえば、火山島の山体崩壊などは、津波を起こす原因となります。
しかしこういった現象は非常に稀で、「数千年〜数万年に一度」レベルの確率です。
確かに巨大な津波は起こり得ますが、日常的な脅威とは言い難い存在です。
100メートルを超える津波の記録はありますが、それは地震そのものではなく、二次的な自然現象によるものでした。
津波のリスクを正しく理解し、過剰に恐れないことも防災には大切です。

現実的な津波対策はどうすればいい?

120メートルは来ないとしても、大きな地震がまた起きたら津波も怖いです。
日常でどんな対策をしておけば安心できるでしょうか?

その心配はもっとも。
巨大津波が来なくても、十分危険な津波は起こるからね。
日頃から備えておけば、避難の判断も迷わなくなるよ。
自治体のハザードマップを確認しよう
自分の住む地域が「どこまで津波が来る可能性があるのか」を知っておくことが、第一の備えです。
市区町村が公開しているハザードマップには、津波の浸水想定エリアが詳しく記されています。
避難ルートや高台の場所を事前に確認しておくだけでも、いざというときの行動が変わります。
「知ってるか知らないか」が生死を分けるケースも少なくありません。
日頃の備蓄や避難訓練の大切さ
防災グッズや非常食、水の備蓄は、津波に限らずどんな災害にも役立ちます。
特に海沿いに住んでいる方は、地震後すぐに避難できるように荷物をまとめておくことが重要です。
また、地域の避難訓練に参加しておくと、実際の避難行動に迷いがなくなります。
「防災は面倒なもの」ではなく、「命を守る知恵」として日々意識しておくことが大切です。
防災は、特別なことではなく、日常の延長線上にある意識づけです。
すぐにできる小さな備えが、大きな災害時に命を守ってくれます。

まとめ
地震だけで120mの津波が発生することは、現実には起こりません。
マグニチュードの限界、海底の変動量、地形の影響などを総合的に見ても、40m台が最大の現実的範囲です。
ただし、それで安心していいわけではありません。
南海トラフ地震など、今後起こる可能性がある大規模地震による津波にも十分警戒が必要です。
大切なのは「正しく恐れ、正しく備える」こと。
不確かな噂に振り回されず、科学的根拠に基づいて冷静に判断しましょう。
そして、自分と家族の命を守るために、今できることから始めてみてください。




